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背 景
リスク評価はなぜ必要か。
 最近の環境問題は,ひと昔前の公害問題のような「危険ならば排除すればよい」という単純な発想では解決がつかないほど複雑化してしまいました。 
なかでも,既にある程度危険レベルまで汚染されてしまった環境をどう扱ったらよいのか,という問題や,従来想定していなかった毒性をもつ物質の扱いなどは,専門家でさえも容易に答えを出せないのが現状です。
 現代の便利で快適な生活は,様々な産業活動で支えられており,日々の産業活動では膨大な種類と量の化学物質が使われます。 有害な物質はみだりに環境中に放出されないように法律で規制されていますが,それでも阻止しきれないごく一部は環境中に漏出します。 
 こうした物質が長年蓄積し,やがて大気・水・食物などを介して人の体に取り込まれ,害を及ぼすことがあるのは,今ではよく知られていることです。 
 
 しかし問題の物質を単純に排除しただけでは,社会の別の面,例えば安全性や利便性に不都合が生じる場合がります。 これが現代の環境問題の難しい点です。

 
環境リスク研究は,社会のあらゆる部分のバランスをとりながら考えるという,複雑なプロセスを必要とします。
 単に従来の化学・生物学の専門の立場だけから考えていると,社会にとっては大きくバランスを欠く結論を出しかねません。

 
 まず,どんな化学物質でも多少なりと体に影響を及ぼすことを知っておく必要があります。 
 
大事なのは「量」の問題です。 ある許容量を超えて摂取すると,どんな物質でも有害作用が出ることは,リスク研究を行う上で頭に入れておかなければならない概念です。
 では,どのくらいが許容範囲でどこからが危険レベルだと言えるか。 
 
その答えを出すプロセスが健康リスク評価です。 
 →リスク評価の手順の説明へ

 →有害性の説明へ

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