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ベンチマークドーズ (BMD:Benchmark dose)
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低用量外挿
の一種 |
限られた数の毒性実験データから,最小の毒性投与量を算出する低用量外挿の方法の一つで,提唱したのは,K.Crump (1984年)です。計算のための専用のソフトウェアが米国環境保護局(U.S.EPA)から無料で配布されていることもあり,注目され始めています。 | ||
低用量外挿とは,毒性実験の量-作用関係のグラフを低用量まで仮想的に伸ばし,最低毒性発現量を推定する作業を言います。化学物質のリスク評価の途上で必要とされる「最低毒性量(LOAEL)」や「無毒性量(NOAEL)」の算出のために,行なわれます。 通常,動物を使った毒性実験は,影響が現れる量から徐々に小さい量へと段階的な投与量を設定して行います。しかしそれでも最低レベルが見つからない場合は,データから数学的に最低レベルを推定します。 但しBMD法は,厳密に言えばNOAELやLOAELを直接算出するのではなく,”リスクを1%増加させる曝露量”などといった,現状からの変化の目印となる値(ベンチマーク)を計算するものです。ベンチマークは,利用者の目的に応じて様々に設定可能です。 |
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(例) U.S.EPAの無料配布ソフトで計算したBMDのグラフ
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リスク評価にBMD法を使って解析を行った論文が,近年増えて来ています。 定量的な数値でリスクを提示するためには,BMD法は便利な道具と考えられており,今後もっと利用が増えることでしょう。(2006年8月現在) | |||
参考文献 | Crump, K.S. (1984) Fundam. Appl. Toxicol. 4 :854-871. | ||
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