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用語解説1 | |||
PBPKモデルの概要
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PBPKモデル
とは |
生理学的薬物動態モデル (physiologically based pharmacokinetic model)は,薬学領域で発達した,薬物の動態計算用のモデル概念です。 医薬品の開発途上で実験動物に投与した投与量を,人の投与量に換算する目的で開発されました。
PBPKモデルの基礎は,”コンパートメント・モデル”と呼ばれるモデルです。 これは複数の組織=コンパートメント間で,物質が移動する様子を,コンピュータ上でシミュレートする物で,似たようなモデルは環境中の物質移動の予測にも使われます。 (この場合は運命モデルと呼ばれます。) 体内の組織重量や,組織の血流量・代謝速度などの情報を設定して,いわばコンピューター上に”仮想人体”を作り上げるのに似ています。 |
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下図に,人体におけるコンパートメント・モデルの簡単な概念図を示します。
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上の図で説明すると,コンパートメントの考え方がわかります。
肝臓は細胞の緻密な集合でできていて,中で物質の代謝や分解を行っています。 脂肪は一つ一つの細胞が肥大して,中に油分をため込んでいるので,脂溶性の物質を溶かしやすい性質を持ちます。 血液は細胞が少なく水分が多く,どちらかというと水溶性の物質を沢山溶かし込みます。 また血液の最も大きな特徴は”流れる”ということで,各組織間を非常に速い速度で動き回っています。 そのため,血液は物質の第1の輸送手段です。 |
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このようなコンパートメント構成の人体の中で,脂溶性の物質はどのような挙動を示すでしょうか。 また分解や排出はどのような時間経過で起こるでしょうか?
それらをコンピューター上で計算し予測するのがPBPKモデルです。 (次へ) |
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